2024年06月
国会の課題
先頃シンガポールでアジア安全保障会議が開催された。この中で中国の国防相が「台湾を中国から分裂させようとする者は必ず自滅する」とアメリカを念頭にけん制発言を行っている。これに対し、アメリカのオースチン国防長官は「新たな集約」として今までのアメリカを中心とする同盟関係から日本も入れた世界秩序形成に向けた新たな構想を打ち出した。いわば2極体制ともいうべき新たな同盟関係の構築だ。日本は今までのアメリカの傘に下で雨風をしのげていたのが、自らも傘をさし、必要とあらば他国にも傘を差し伸べなければならなくなる役割。台湾有事、尖閣有事が沖縄有事につながりかねない状況下、日本国家の安全保障を真剣に議論しなければならない世界情勢だ。こんな中、日本は昨年末から自民党の裏金問題が筆頭ニュースとなっていて、国会のテレビ中継も裏金問題だらけだ。政治資金規正法はキチンと議論しなければならないが、本当は重要な世界情勢についてももっと議論しなければならない筈だ。国会議員は地方議員ではないのだから国家の安全保障をしっかりと議論してもらわなければ困る。なのに裏金問題ばかり、挙句の果てに立憲民主党の蓮舫議員が自民党凋落の隙間を狙って東京都知事選挙に立候補すると名乗り出た。政治感覚の鋭さには感服するが、ニュース、話題が裏金問題に端を発する自民党の問題に半年以上も巻き込まれ続けている。自民党も疑惑議員の事情聴取を拒むことから始まってやっと政治資金規正法の(公明、維新から)合意を取り付けた。裏金問題がどうでもいいことだとは言わないがあまりにも決着が遅い。早々に切り上げて国家安全保障など日本国の50年、100年先を見据えた議論に集中してもらいたい。早々に切り上げるとは「いい加減な決着」を、と言っているわけではなく自民党が民意を汲み上げて国民の多くが納得できる法案を早急に提出すべきではなかったか、ということ。国会の論議は、安全保障をはじめ、憲法改正、東京一極集中、皇位継承問題、拉致の解決、少子化問題など課題山積の筈だ。本筋を外した議論を国民は期待していないはずだ。
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2024/06/05 10:42